オーストリアに本拠を置く JoWood Productions からの PC 用タイトル。架空の TV ショウを模したサイドビュー画面上で、隣人の家に忍び込みつぎつぎと悪戯を仕掛ける。連鎖的にトリックを成功させることができれば、視聴率 (スコア) へとつながるシステムになっている。
デモ版では、製品版全 14 ステージ中の 2 ステージを楽しめる。

私は日頃から殺伐としたアクションゲームばかりを遊んでいる人間だが、それでも時にはこうした気軽さをゲームに求めたいこともあるわけで。
4Gamer.net さんの記事にスクリーンショットを見た時、クレイアニメをほうふつとさせるビジュアルに惹かれてデモ版をプレイ。やたらとサイズの大きいデモ版が出回る昨今、19 MB というコンパクトさもうれしい。

このデモ版に収録されているのは、頁頭に書いた製品版からの 2 ステージと、チュートリアルの 3 ステージ。
とは言っても、移動からアイテム取得/使用に至るすべてのアクションがマウスひとつで済むので、とっつきはかなり良いと思う。操作はすべてメイン画面上で対象をクリックするだけ。そこがフロアであれば移動し、アイテムがあれば取得したり使用したりする。マウス左ボタンクリックで通常移動、右ボタンで忍び足での移動 (番犬対策) となる。

通称 "地獄から来た隣人" であるところの禿げたおっさんの行動パターンは、各ステージによってあらかじめ決まっていて、各部屋間を "移動 > アクション > 移動" と繰り返すようになっている。そのルーチンへプレイヤー操るウッディを割り込ませ、悪戯を仕掛けるのがゲームの目的。
冷蔵庫で見つけた腐りかけの卵を電子レンジに放り込み、おっさんが覗き行為に愛用する双眼鏡に接着剤を塗る…といった具合に、ゲーム中 "こうしろ" という指示こそは出ないが、悪戯心でもってアイテムとステージ上のオブジェを見比べれば、自ずと答えは出てくるはず :)
悪戯を成功させれば、画面左下に表示されるおっさんの怒りゲージと、右下の成功率ゲージを上昇させることができ、さらに二つ三つと仕掛けが重なっていれば、成功率ゲージにボーナスポイントが加算される。つまり単発で悪戯を仕掛けるだけでは成功率を完全達成させることはできず、いかに効率よく隣人を陥れるかを考える面白さもある。
隣人と部屋を同じくしてしまった時点で、主人公は捕まりゲームオーバーとなる。番犬に発見された際も同様なので、常に画面をスクロールさせて、家全体を把握することが大事。

コミカルなキャラクタ達とファンキーな音楽。ゲームとしての動作も軽く、本当に気軽に楽しめるタイトル。ふと "これで対戦プレイができれば…" と思ったりもしたが、それじゃ昔あった "SPY vs SPY" じゃないのか? とちょっぴりノスタルジックな気持ちになったり。
キャラクタや行動のバリエーションが限定されていることくらいが難点か。製品版欲しい。

20030526

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