米 NovaLogic 社の特殊部隊シミュレーション "Delta Force" シリーズの四作目。
前作 DFLW のシステムはそのままに、ステージ内容やキャラクタなどを入れ替えた物。制作には "Spec Ops" などを手がけた米 Zombie Studios 社も名前を連ねる。

アフガン各地を舞台にした 25 のミッション内容は、ひとつづつ順番にクリアしてゆく "Campaign" と、任意の物に単発で挑む "Quick Mission" ふたつのモードで楽しめる。
プレイヤーキャラクタとして用意されているのは各国 10 種の特殊部隊員で、射撃や行動の各性能には若干のアビリティも設定されている。また VON (音声通話) に標準対応したマルチプレイと、マップおよびミッション内容を制作できるエディタも搭載。

この次の作品である DFBHD もとっくにリリースされたというこの時期に、シリーズ初プレイ。
なにはなくともまず "10 種の特殊部隊" という選択肢がお得感をそそる。しかし実際その能力差は本当にわずかで、単に見た目の好みに合わせてキャラクタを選ぶだけなのか…とちょっぴり落胆。

なにより銃器の性能が極めて高く、狙撃用のライフルはもちろん、ピストルやアサルトライフルにマシンガンまで、いずれの弾も高い直進力を持っていて、とりあえず敵影さえ確認できれば重機関銃でもスナイプ可能。
敵 AI の反応もかなり鈍めなので、デフォルトで所持する双眼鏡と、メイン画面の左下にあるレーダーや、詳細マップが確認できるコマンダースクリーン上でこまめに索敵しておけば、不意をつかれることもなく敵を排除できるだろう。
もし先に発見されても、敵がかなりの確率で無駄弾をばら撒いてくれるのが、嬉しいような切ないような気持ちを誘う。敵味方ともに弾さえヒットすれば壱ないし弐発で死ねる。

シングルミッション内容は "敵陣地に潜入 > 周囲の敵排除 > オブジェクト奪取 or 破壊 > 脱出" といったものがほとんどで、前述のレーダーやマップ画面上に出現するウェイポイントを順に辿れば苦もなくクリアできるだろう。
しかし寂しいのが、特殊部隊モノとは言いながら、多くのミッションではプレイヤーの単独行動となる点。
そしてこの寂しさをさらに引き立てるのが屋外マップの広さで、私は数分走って諦めたけれども、行こうと思えばどこまでも走って行けるような広さを持っている。乗り物の操縦もできず、ミッションに関係するエリア以外にはまず何もないのが重ねて辛い。
建物や地下通路、洞窟といった閉鎖空間内のバリエーションもやや乏しげで、随所で見られるオブジェクトの使い回しや、侵入可能な建物数の少なさなどが気になった。建物内では当たり判定の変化による妙な足場の不安定さもアリ。
しかしミッションすべてが退屈や窮屈というわけでもなく、時には対象物へのレーザー照射で空軍機の爆撃を要請できたり、味方の操縦するブラックホーク機上から地上をガンガン掃射できたりと、爽快感溢れる場面もある。

グラフィックは、旧作のエンジンを使い回しているおかげで、同時期の他作品に比べるとやはり見劣りする部分が大きい。加えて山肌が微妙に波打ったりするのは勘弁して欲しいと思った。
サウンドもあらゆる意味で軽め。それからどうでも良いが、敵兵の断末魔が "焼きイカだ" と、こちらを発見した時の叫びが "お邪魔虫" と聞こえるのは、たぶん私の耳のせいだろう。

やはりもう少し足回りをしっかりして欲しかったと強く思う。なんだかんだと細かい不満はありながらも、毎日数ミッションずつのプレイを続けてしまったこの身としては、惜しい部分ばかりが気になって仕方がない。
First/Third-person View を切り替え切り替え、ナルシスト的に特殊部隊員ごっこを楽しむにはいい世界なんだけれど…

私的キーバインドメモ

20030520

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