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1993 年にスーパーファミコン用ソフトウェアとして登場した "美少女雀士スーチーパイ" 以降、アーケードや多くの家庭用機ほかで続編を重ねた "スーチーパイ" シリーズ。
二人打ち + アイテム使用によるイカサマありの "いわゆる脱衣麻雀" をベースとしたゲームではあるが、漫画家園田健一氏の手による特徴的なキャラクタ群を、かないみか氏をはじめとした声優陣が演じ、麻雀勝負の合間などにその設定を活かした寸劇を多く挿入する手法でヒット。また雑誌やラジオ等とのメディアミックスもあり、ある時期におけるジャレコの看板シリーズにもなっていた。
ちなみに "スーチー" は数字の 4 と 7 の中国語読みからきたもの。またジャレコは同社の業務用メガシステム 32 基板用タイトルとして、シューティングゲーム "P-47 ACES" をリリース (1988 年) していたりもする。
この Dreamcast 版は、99 年にアーケード (Naomi 基板) で先行リリースされた "アイドル雀士スーチーパイ III" をベースに、対戦相手から入手する着せ替えパーツを組み合わせてオリジナルのキャラクタを作る "メイキングモード" を追加したアレンジ移植となっている。DC 版のタイトルからスーチーパイの文字が消えたことに関しては、全年齢を対象とした DC プラットフォームでの大人の事情があったとかなんとか。
ちなみにコンソールでアーケードと同等の脱衣シーンを見れるのは、3DO 版 (一作目) と Sega Saturn 版 (一作目 Remix + 二作目) のみ。SS 版一作目リリース時には脱衣の果ての表現… つまりそこに乳首があるかないかを巡って、年齢制限 MA18 (18 歳以上推奨レベル) の "アイドル雀士スーチーパイ Special" (乳首ナシ) が出されたのちに、再度 X 指定の "同 Remix" (乳首アリ) が改めて出されるといった経緯もあった。アーケード準拠の脱衣が見たいだけならば、PC 版を選んでおこう。
もちろん、脱衣うんぬんを差しおいても楽しめるキャラクタたちの掛け合いは DC 版でも健在。主人公のスーチーパイこと御崎恭子 (みさききょうこ) をはじめとする八人 + α (メイキング対象となるアンドロイド) が、スーチーパイの偽者騒動に始まるフルボイスドラマを展開する。それぞれのネタを楽しむために、シリーズの世界観や登場キャラクタについての予備知識がある程度必要ではあるものの、マニュアルにはそれらの説明はもちろん、麻雀解説までもが用意されており、間口はそれほど狭くない。
セル画ベースのフル画面アニメーションで繰り広げられるテンポのよいドラマは、やたら "映画的" を謳う某大作 RPG などとはまた違う方向でゲーム自体の世界を広げている。これら映像と絡む楽曲群もまた "ポップの極み" 的味わいを持っており、シリーズに対するスタッフの愛情 (内輪的なものではなく、良質な制作姿勢としての) が感じられる仕上がりとなっている。
そういった意味では安心して楽しめるものであったスーチーパイシリーズも、後に訪れるジャレコの衰退と海外資本 PCCW による買収劇の陰で、半ば宙吊りに近い状態に置かれる運命を辿ることになる。脱衣麻雀をベースとしたゲームのコンシューマでの展開を模索し続けたひとつの結果としても、本作の存在意義は充分に大きいと私は思う。
その後いちブランドとして復活したジャレコは、PlayStation 2 プラットフォームを中心に下記麻雀ゲームタイトルの商品展開を行なっている。
また 07 年には、旧シリーズの魅力を充分に残しつつ同時に時代や背景の移り変わりを取り入れ描いた新作 "アイドル雀士スーチーパイ IV" も PS2 用ソフトウェアとしてリリースされた。
2006 年 08 月 02 日、スーチーパイシリーズを含めた近年のアーケード麻雀の PC 版リリースを行なっていたハーベストは、18 禁ソフトウェアの開発/製造からの撤退を発表。同社公式サイトも同年末日を持って閉鎖されることとなった。
Dec 2006
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